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平等な死などない【ワンピース】

第11章 この気持ちを愛する貴方へ(※)


「クマラさん!そのっ、わしゃぁあんたの事を、すっ、好いちょる!!!遠距離恋愛でも構いません!!付き合おうて下さい!!」

今、クマラはサカズキからマリンフォードの外れにある浜辺で告白されていた。赤い薔薇の花束には薔薇が二十一本飾られており、花束での意味合いは“真実の愛・あなただけに尽くします”。サカズキはちゃんと調べてこれを差し出しており、尽くすと言うのには色んな意味を込めているのか、顔は真っ赤に染まっている

クマラは頭を下げて花束を捧げるサカズキを少し見つめ、申し訳ないがと花束を受け取ることはしなかった。フラれることは薄々気付いていたサカズキだが、このままでは引き下がれないと薔薇の花束をクマラに抱えさせる

「……サカズキ?」
「わしのこの気持ちはホンモンです!じゃけぇ、その気持ちと同じようなもんを返さんでも、気持ちを受け取るだけはしてくれやしませんか」
「……」

サカズキにとっては、これが初恋だ。好きで好きで堪らなくて、ずっと彼の傍に居られるだけでも喜べる程に溺れた恋。例え彼に海賊の親友がいようと、子供がいようと関係ない。自分が愛したのは、サマトクマラというたった一人の男なのだと、サカズキは蕩けた瞳で、花束を見つめるクマラを見る

不意にクマラは、数本の薔薇を取り出し「ん」と一文字だけ言葉にして、持ち合わせの布に茎を包みサカズキに差し出す。頭がこんがらかりつつそれを受け取ったサカズキはこれはなんだとクマラの顔を覗いた

「八本の薔薇の花束の意味を思い出した」
「……?」

自分の想いを告げることに精一杯だったサカズキは、八本はなんだったかと記憶を辿る。それよりも早くクマラが口を開き、そっとサカズキの頭を撫でた

「八本は“思いやりに感謝しています”……な。いつもありがとう、サカズキ」
「っ……クマラさん!」
「うおっ」

クマラの言葉に感極まったサカズキは、勢いよく抱き着きクマラを腕の中に閉じ込める。忘れることは出来ない、ずっと想い続けていたいと感じたサカズキはうっとりとした表情で数分ほどクマラを独占し続けた
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