イナズマイレブン-狼たちは狂犬を愛し喰う-オリオンの刻印
第1章 -
「で、どうするんだ?梅も一緒に練習すんのか?」
「・・・ヒロトがするなら・・・私もする・・・」
「じゃあ決まりだな。」
それから吉良と獣都も、基山たちの練習に参加することになった。
「さあ、打ってこい!」
ゴール前で仁王立ちしている砂木沼の声がグラウンド中に響き渡るとともに、グラウンドにいた全員の視線がセンターサークルにボールを抱えて立っている獣都に向けられた。
「ねぇ、あんた本当に私のシュート受ける気?」
獣都は嘲笑うような声で、砂木沼に言った。しかし砂木沼は自信ありげに、「ああもちろんだ!貴様のシュートなど容易く止めてやろう!」と言い返した。砂木沼は本気で獣都のシュートを止める気でいた。
「あっそ。」
獣都は抱えていたボールを足元に置くと、すぐにシュート体勢に入った。そして獣都の打ったシュートは瞬きする暇さえ与えることなく、ゴールへと突き刺さった。
獣都のシュートを見ていた吉良、基山、円堂、坂野上、風丸の五人は、今起きたことが信じられず、目を見張った。それはそうだろう。獣都が打ったのは必殺技使用なしの、ただのノーマルシュート。それにもかかわらず、スピードや威力はただのノーマルシュートとは思えない程の速さと力強さを兼ね備えていた。
「ねぇ、私のシュートを容易く止めるんじゃなかったの?」
いつの間にか、ゴール前で倒れていた砂木沼の元へやって来ていた獣都は、貼り付けたような笑みを浮かべ、砂木沼の顔を覗き込んだ。砂木沼は一瞬険しい表情を見せるが、すぐに「次は止めてみせる!」と言い、先程のように自信ありげに笑った。
そんな砂木沼を見て、獣都は「は?」と低い声を漏らした。
「次は止める?笑わせないで。あんたに私のシュートが止められるわけないでしょ!?」
獣都は砂木沼の胸倉を掴み、荒く自分の方へ引き寄せると、お互いの吐息がかかる程、距離をグッと詰めた。
「調子乗ってんじゃねーよ、雑魚キーパーが。」
ドスの効いた低い声に、野獣のように暗く光る目。今の獣都はかなり危ない状態だ。それを察知したのか、吉良は獣都を砂木沼から引き離した。しかし獣都は吉良の手を振り払った。そしてまた砂木沼に近寄ったかと思うと次の瞬間、獣都は砂木沼の頬を殴った。