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イナズマイレブン-狼たちは狂犬を愛し喰う-オリオンの刻印

第1章 -


「獣都梅、俺は必ずや貴様を屈服させてみせる!」

あまりにも好き放題言う砂木沼に我慢できなくなった獣都は、砂木沼が言い終わるのと同時に砂木沼の方を見て、「シねッ!」っと叫んだ。それには砂木沼も驚いたのか、目を大きく見開いた。

しかしすぐに不敵な笑みを零し、「面白い!ムラムラしてきたぞ!」と獣都同様に叫んだ。そして砂木沼の言葉に、基山は「いやメラメラね!?」と鋭いツッコミを入れた。

「なんか後ろの席、楽しそうだな!」
「フッ、そうだな。」

前の方に座っている円堂守と風丸一郎太は、後ろから聞こえてくる獣都たちの声を聞いて、可笑しそうに笑った。

「金輪際、私に近づくなよ。もし私に触れてみろ、話しかけてみろ、その時は容赦なく殴り飛ばす。」
「ほぉ~。やれるものならやってみるといい。俺はその程度では屈しない!」

獣都に何を言われようと笑い飛ばす砂木沼。そんな砂木沼を見てかなり苛立っている獣都は、今にも砂木沼に殴りかかりそうな勢いだ。

そして獣都はついに怒りが沸点に達したのか、ギチギチという音が聞こえるくらい拳を握り締め、その拳を砂木沼の顔面に向かって突き出した。しかしその拳が砂木沼に届くことはなかった。

何故なら、砂木沼に拳が届く寸前、吉良が獣都の腕を掴んだからだ。

「やめろ。」
「ヒ、ヒロト・・・!だって、こいつが・・・!」
「俺の言うことが聞けねえのか?」
「ッツ!?」

吉良にそう言われた瞬間、獣都は蛇に睨まれた蛙のように動かなくなった。次第に獣都は涙をボロボロと流し、弱々しく「ごめんなさい。」と吉良に謝った。すると吉良は満足そうに「分かりゃいいんだよ。」と言い、獣都の頭を優しく撫でた。

「ほほ~ぅ、彼女はヒロト君に懐きましたか。狂犬と神。これは面白くなりそうですね。」

そんな趙金雲の呟きは誰にも届くことはなかった。
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