第110章 *終曲ディアソムニア*
マレウス『レイラっ!!!』
濡れた床の上を急いで駆け寄り、服が汚れるのも厭わず抱き起こす。しかしいくら呼びかけても反応はなく、力なくだらりと垂れ下がった手や口元は真っ黒に汚れ、僅かに空いた口からはか細く途絶えそうな息が聞こえていた
マレウス『体が冷たくなってきている...一体何が起きている!?レイラ、目を醒ませ!!リリアだけでなくお前までも...何故だ。何故ここまで酷い吐血を....
.....いや違う。これは、血ではない..?』
セベク『若様っ!!』
リリア『マレウス!わしらを置いて先走っていくではない!ああ、いや今はいい。レイラはどこに..
ーーっ!!!』
セベク『なっ!!』
遅れて入ってきたリリアたちも、床に広がる液体とその中心でマレウスに抱えられ気を失ったレイラの姿に言葉を失う
マレウス『微かに感じる負の魔力。くっ、今の僕ではやはりまだ無理か。リリア、この床の液体は..』
リリア『!!これは.....まずいぞ。すぐに治療を施さねば命に関わる事態じゃ!!
セベク、すぐに走って.......セベク?』
セベク『...はぁっ、はぁっ、はぁっ..!』
いつもはすぐ反応するはずの声が聞こえずバッと隣を見上げる。目の前で大切な相手が血のようなものを口から流し気を失っているという絶望的な光景に、セベクの心拍数は一気に上昇し呼吸が激しく乱していた
またあの時のように愛する存在を失うかもしれないという恐怖を2度も味わい、完全に恐れに取り憑かれた体は酷く硬直していた
そんなセベクの様子にリリアはいち早く気づき、正気に戻すため彼の背を強く叩いた
リリア『ーーーセベク!!』
セベク『っ!!!』
リリア『しっかりせんか!!狼狽える気持ちは分かるが、こういう時にこそ冷静に対処することが大切だとあれだけ教えたじゃろ。
よいか。おぬしはすぐにイデアかオルトを探しだせ。そしてあやつらからS.T.Y.Xに救援を要請させるんじゃ!』