第110章 *終曲ディアソムニア*
『げほっ!はぁ、はぁ、はぁ...ゔっ...(吐いちゃった。お姫様、騎士さん、ごめんなさい..)』
涙に濡れた視界に映る床を黒く汚してしまった罪悪感に、かつてここの主だった2人に心の中で謝罪した
少しだけ落ち着き押さえていた手を口から離し、べっとりとついた真っ黒な汚れに顔が曇らせる。半開きの扉から差し込んだ夜明けの光がその手を照らしたその時、明るみになった"それ"にレイラは目を見開き一瞬思考が停まったような気がした
『ぇ......これ、って....
っ、ごほごほっ!!ぅ"っ、ぇ..がはっ!!』
再び襲ってきた感覚にえずき、また黒い液体を吐き出した。視界はもう正常に定まらず座っていることすら出来なくなり、体がゆっくりと前へ倒れていく
固い床に多少痛みが伴ったが、それよりも未だにせり上がる不快感の方が勝りその場に横たわると、もはや手で押さえる気力もないまま口から漏れ出る液体が床に広がっていくのを見つめたまま、意識は深い水底に沈んでいった
ユウ『はぁ、はぁ..先生たちどこにいるの?まさかもう帰った?いや、そんなはず....』
マレウス『ん、あれはユウか?忙しなく走り回っているが、誰かを探しているのか?』
リリア『本当じゃな。いつも一緒におるはずのレイラの姿も見えんし...まさかはぐれたんじゃないだろうな?』
シルバー『もしそうだとしたら大変だ。俺が話を聞いてきます』
リリア『うむ。セベク、念の為おぬしも行ってきてはくれんか?もし本当にはぐれたとあれば、探す手は多いほうが良い』
セベク『はっ!』
まだ多くの生徒でひしめく広間を駆け、必死で教師たちの姿を探し回るが誰一人見当たらない。生徒たちを誘導するため外に出てしまったのかと、城門はと向かおうとしたその時
ユウ『くっそ、どこにいるんだよ!この際あのクソカラスでもいいから、誰か...』
シルバー『ユウ!』
ユウ『っ!シルバー先輩!セベク!』