第110章 *終曲ディアソムニア*
『っ!!ゔぅぅっ、げほっ!!ごほっ!!!はぁ、はぁ....っ』
城の廊下は薄暗く、飛び込むように入ってきたレイラはおぼつかない足取りで歩きながら、止まらない咳に吐き気すら催していた
ドクン! ドクン! ドクンッ!!
まるで心臓がそこにあるかのように、耳の奥や脳で脈打つ鼓動の強さに気持ち悪さに拍車がかかる。こんなにも脈を打っているのに体は温まるどころか冷や汗が止まらず、体中から血の気が引いていき寒さすら感じ始める
視界が大きく揺らぎ、壁に体を預け手をついていないと立っていることすらできず、少しでも気を抜けばすぐにでも倒れてしまいそうだった
『うぶ...っ!!っ、ごほごほごほっ!!!』
ユウ『ーーあっ、いた!いきなり出ていったりしてどうしたの!?すごくフラフラしてるじゃん、ちょっと待って!!』
追いかけてきたユウに抱きとめられその場に座り込むとより激しい咳が込み上げ、胃の不快感にえずき背中を丸める
『げほげほっ!!ごほっ、ぐ、ぅぅぅっ!』
ユウ『もしかして気持ち悪いの!?ど、どうしよう。とにかく、まだ残ってる先生たちにすぐに知らせに行って、回復魔法かけてもらうか学園の魔法医術士に...ああでもこんなド早朝じゃまだ誰も....』
『ぅっ!!ぅ"ぅぅっ!!ぉ、ぇっ!がはっ...!!』
背を擦る手に少しの安心感を覚えたその時、胃からせり上がってきたものに遂に耐えきれず、口から液体を吐き出した
ゴプッと溢れたものが押さえた手の隙間から漏れだし、石造りの床にボタボタとシミをつくって零れ落ちる
ユウ『嘘っ、吐いちゃった!!??ちょ、ちょっと待ってて!すぐに先生たち呼んでくるからね!!』
突然目の前で嘔吐したことにゾッと寒気が走り一気に焦りが募る。とにかく人を呼ばなくてはと混乱する頭のまますぐに立ち上がり、救援のため広間へと走り戻っていった