第110章 *終曲ディアソムニア*
『!!..ご、ごめん。えと、なんだっけ?』
ユウ『グリムに今度の小テストに向けて、勉強教えてくれると嬉しいなって話だったんだけど....
どうしたの?ぼんやりしちゃった?』
『さっきなにか変な音が聞こえて...』
ギチッ...!
『..聞こえない?』
再び聞こえてきた奇妙な音に顔を上げて問いかけるが、ユウには聞こえていないのか不思議そうに首を傾げるだけだった
それはまるで重い物を引っ張っているような、はたまた何かを繋ぎ止めて耐えているようにも聞こえ、周りを見渡してもそんな音の出るような状況が起きている風には感じられない
ユウ『う〜ん..周りでガヤガヤしてる話し声とかしか聞こえないんだけど..レイラは耳が良いからどっか遠くの音でも拾ってるのかな?』
『ううん、遠くじゃない。どっちかっていうとすごく近い....まるで、』
ギチッ....ギチッ!!!
『耳元でするような..』
ユウ『???...あ、もう少しで抜けそう。ほら、ツノ太郎たちにもう少しで会えるよ』
『ほんとだ。早く会いに...』
ギチギチギチッ!!!
[っ、時間切れダ。あァ、ごめんねウサギちゃン。頑張って抑えてたんだけド...
もう、限界ダ]
ブチッ.....
『........ぇ』
ドクンッ!!
『っぐ...!!げほげほっ!!げほっ、げほっ!ゔ、ぁぁぁ"っ!!』
今までにないほどに大きく脈打つ鼓動に体が大きく震える。箍が外れたようにとめどなく込み上げる咳に肺が痛んで悲鳴を上げる
ユウ『っ!!どうしたの!?すごく顔色悪いし、咳もすごく酷....って、ど、どこ行くの!?』
突然の激しい咳き込みに振り返ると、レイラの白い顔は更に青白くなり、止まらない咳に手で口を抑えながら苦しそうに身を屈める
見たことのない激しい咳と苦悶の声に焦りを感じ肩に手を伸ばそうとするが、それより先に繋いでいた手が離れ、1番手近にあった扉から逃げるように出ていった