第110章 *終曲ディアソムニア*
『セベクのそのお洋服..じゃない、"よろい"?また見られて嬉しい。ワニさんとお揃いのカッコいいやつ』
セベク『僕もまさかまた身に付けられるとは思わなかった。しかも騎士の称号まで頂いてしまって..若様の恩賜には感謝してもしきれん。
きっとお祖父様も喜んでくださるだろう』
『んふふ、いっぱい褒めてくれるよ』
セベク『.....』
『セベク?どしたの、いきなり止まって』
セベク『...僕は以前、お前のことを何も知らなかった。今まで関わってこなかった上に、クラスも部活も寮も違うから当然だ。
知らないが故に、お前への印象は正直最悪だった』
『..ん』
セベク『若様やリリア様からのご厚意やご配慮も、それに対するお前の態度も気に入らなかった。だが旅を共にして関わりを深め、お前の強さも弱さも理解していく内にいつの間にか苛立ちは消え、側にいることに不思議と安心感を覚えていた』
『私もセベクのこと何も知らなかった時は..嫌い、だったけど、今は貴方のことをたくさん知って、良いところも悪いところも見てきた。
…だから、今はセベクのこと..大好きだよ』
セベク『っ...お前の隣は心地が良くて、自分をさらけ出してしまう。そして無意識に求めてしまうのだ..だらしのないお前の笑った顔を。
い、言っておくが、僕はどうでもいい奴にはこんな感情は持たん。お前が、その..特別だからだ』
『特別ってなに?ツノ太郎たちとは違うの?』
セベク『当たり前だろう!若様とお前とではそもそも...いや、そんなことを言いたいんじゃない。僕にとって若様は敬愛する仕える君主で、お前は........お前は..』
『..もっかい言うね。私はセベクのこと大好きだよ。
ねぇ、セベクは私のこと好き?』
セベク『...............す...き、だ』
『(声ちっちゃい..)なんて?』
セベク『どうせその耳で聞こえていただろうが』
『んふふ..また今度、聞かせてね』