第110章 *終曲ディアソムニア*
その顔を知らないはずなのに、シルバーには向けられる愛に満ちた表情に深く感じるものがあった
シルバー『あっ..あなたたちは..!夜明けの騎士と..まさか、あなたはレイア女王?』
『あの人が、シルバーさんのママ..』
マレウス『さあ、人間も、妖精も..夢も、現も、幻も。夜が明けるまでの束の間、共に踊ろう』
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かつての輝きを映し出した城で、思い出の幻たちと共にダンスが始まる。そこには種族の違いもかつての仇敵も関係なく、近衛兵も銀の梟も互いの手を取る
魔法で奏でられる優雅な音楽に合わせ、生徒たちも思い思いにパートナーを変えて踊っていく
誰もが笑顔で手と手を取り合うその光景は、
シルバー『まるで、夢のような光景です』
マレウス『ああ、僕もそう思う』
リリア『祝いの席を華やかに!それ、ブルーじゃ!』
杖を振るうと、シルバーの白銀のマントが一瞬で鮮やかな青へと染まった。だが、マレウスはそこに異を唱えるように手を翳した
マレウス『お前の息子ならピンクだろう』
リリア『ブルー』
リリア『ピンク』
互いに譲る気はなく忙しなく変わっていくマントに、シルバーもセベクも苦笑いで2人の攻防を見届けるしかなかった
そんな彼らに夜明けの騎士とマレノアの幻が近づき、シルバーは夜明けの騎士とレイア女王、マレウスはマレノアの手を取る。かつての諍いで死に別れ、もう二度と触れられない親子の手は、この特別な一夜限り重なり合う
幻である彼らに体温はないはず、しかし何故か触れ合う手からは微かに温もりが伝わり、心をじんわりと温めていく
それぞれの大切な家族と再び会えた喜びに、シルバーもマレウスも心からの笑顔がこぼれる
『...シルバーさんもツノ太郎も幸せそう。お姫様と騎士さんに..ママやパパに会えて良かったね』
マレウス『ああ、もう夜明けが近い』
リリア『幸せな時間は矢のように過ぎる』
マレウス『楽しもう...最後まで』