第110章 *終曲ディアソムニア*
『!!みんな、あれ見て』
セベク『あっ..あれは、夢で会った妖精の近衛兵と銀の梟!?』
マレウスたちの周りに音もなく現れた近衛兵と銀の梟たちに身構えるが、その体は透き通っていて銀の梟たちからは敵意は全く感じられない
グリム『ふなっ!ゴーストか!?』
シルバー『違う..これは、親父殿のユニーク魔法だ。在りし日の、広間の記憶...!』
?『眠れや眠れ愛し子よ....』
マレウス『...!この歌声..』
近衛兵たちの先頭に一際オーラのある人影がぼんやりと現れ、優しい歌声が耳をくすぐる。真っ黒なドレスに銀の装飾、鮮緑の宝石を嵌め込んだ長い杖をつき、特徴的な二本の角が黄昏の光に照らされ艶めく
長い濡羽色の髪を靡かせ自分と同じ色の瞳をした美しい女性に、マレウスは目をパチバチと瞬かせた
マレウス『あの黒いドレスの女性..肖像画で見たことがある』
リリア『...マレノア。お前の母親だ』
マレウス『嗚呼、そうか。どこかで聞いたあの優しい子守唄は..あなたが歌ってくれたのか..お母様』
『ーーーお姫様.....あれ?このキラキラ..どこかで』
マレノアたちのいる反対側、マレウスを挟んだ逆位置に立つ銀の梟たちの方から、赤・青・緑の光の粒が舞い踊る
それは夢の中で、リリアの魔法によって呼び起こされた思い出に現れた3人の妖精。かつて戦争の火の海から赤子のシルバーを守るために、守りの魔法をかけた昼の眷属だった
『シルバーさん、これって..』
シルバー『ああ。この光、夢の中で見た..』
やがて3人の妖精たちの放つ光に導かれるように一組の男女が姿を現す。黄昏の光に輝く金色の長い髪とオーロラ色の瞳。銀の鎧を纏う青年は、シルバーのもう一人の父親である夜明けの騎士
そして彼の横には、ベールに包まれた亜麻色の髪を結わえ、青みのかかった黒い瞳はこちらを愛おしそうに見つめる謎の女性。優しい笑みはまるで木漏れ日のように穏やかで温かい