第110章 *終曲ディアソムニア*
『『『『おめでとう/おめでとうございます』』』』
真の親子となった2人に誰もが拍手と祝福の言葉を惜しみなく贈る。心からのお祝いに少し恥ずかしそうにしながらもその贈り物を全身に受け、シルバーとリリアは互いの顔を見てフニャッと笑った
『おめでとう。シルバーさん、リィさん。ほんとに、よかったね....ぐすっ』
血の繋がらない大切な人と本当の親子として認められ、絆を結べることの嬉しさを誰よりも知っているレイラは、溢れる涙をそのままに誰よりも大きな拍手を響かせた
マレウス『さあ、今夜は夜明けまで踊り明かすぞ』
グリム『踊るって..このトゲトゲだらけの広間でかぁ?』
床にも天井にも至るところに張り巡らされた茨の蔦。さすがにこの中でこの大人数が踊るのは無理があるだろうと周りも頷くと、マレウスも思い出したように"そうだったな"と呟きリリアへと手を伸ばした
マレウス『リリア、まだ僕1人では無理そうだ。少し力を貸してくれ』
リリア『あいわかった。マレウス、手を』
差し出された手を取り並び立つと、2人は静かに目を閉じる。繋がれた手の中で混じり合い強化された互いの魔力が熱を帯びる
グリム『あいつら手なんて繋いで、何するつもりなんだゾ?』
リリア『"全ては過ぎ去る日のように、どこへ向かうも瞬きの間よ
遠くの揺り籠まで(ファークライ・クレイドル)"』
2人の魔力が床から広がり城全体を包み込む。優しい輝きに照らされた広間は瞬く間にその姿を変え、張り巡らされた茨の蔦も壁や床のひび割れも跡形もなくなっていく。夢の回廊で見た淡い夢の光が差し込むそこは、まるで在りし日の美しい野ばら城へと時を戻したようだった
ユウ『ツノ太郎とリリア先輩の魔法で、城がめちゃくちゃキレイなった!』
『....すごくキレイ。キラキラしてて、まるで夢の中みたい』
一瞬にして広がった輝きに満ちた美しい光景に、周りからも感嘆の声が次々とこぼれていく。物についた思い出を読むことができるリリアのユニーク魔法に、マレウスの魔法が加わり、過去の情景が映し出される
そしてその思い出は城の内装だけではなかった