第110章 *終曲ディアソムニア*
シルバー『俺は...俺は、幼い頃からマレウス様と親父殿を守る騎士になるのが夢でした。強く信じれば、夢は叶うというのは...本当なのですね』
涙こそ流さなかったが、オーロラの瞳は希望の光を帯びてその輝きをさらに美しくさせる。ずっと夢だった騎士になれたことへの喜びと感謝をしかと刻むように胸に手を当てまた深く頭を下げた
そんな2人を祝うように周りから万雷の拍手が鳴り響くと、立ち上がり軽い会釈で祝福の思いに応えた
シルバー『.....』
リリア『どうした、シルバー?何か言いたげな顔じゃな』
シルバー『いえ.....あのっ....』
一度開きかけた口を閉じ、話していいのかと瞳を躊躇いに揺らし端正な顔を曇らせる。彼の挙動を不思議に思いながら、それでも何かあるならと続きを話すよう背を押す
マレウス『なんだ、言ってみろ』
シルバー『....た、大変、烏滸がましいお願いなのですが...その...もし、マレウス様にお許しいただけるのであれば、俺が賜ったこの甲冑を、S.T.Y.Xと賢者の島の皆様に譲りたく...』
『『ええ〜っ!!??』』
シルバー『今回俺がマレウス様をお止めできたのも、全てはS.T.X.Yの皆様のご助力があってのこと。そして、再びマレウス様と共に学園に通えるのも、賢者の島の皆様のご理解があってこそ..
ミスティウムが非常に貴重なものであることは、重々承知の上です。だからこそ、誉の証として森の家に飾っておくよりも、未来のために役立ててくれる者たちに譲りたい』
マレウス『...ほう?』
シルバー『俺への贈り物は、騎士の称号だけで十分です』
マレウス『いいだろう。ではお前の鎧は2つに分け、賢者の島と嘆きの島へ贈ることとする』
シルバー『ありがとうございます..っ!』
『『ありがとうございます〜〜!!』』
ユウ『なんかあっちの方が盛り上がってるのはなんで?』
『?』
もう二度と造られることのない貴重なミスティウム製の鎧を寄付されると聞き、クロウリーとイデアからも感謝の声が上がる
後々2つにするためマレウスは甲冑を魔法で片付けると、代わりにシルバーに同じ色の軽装を与えた。それはまるで白銀の王子のように、装飾は少なめだが華やかさはそのままに彼の髪色にもよく映えていた