第110章 *終曲ディアソムニア*
主催者不在のまま深夜0時を告げる鐘の音が響き渡る
それを合図に開け放たれた窓から風が吹き込み広間を駆け抜けると、茨で埋め尽くされた玉座の前に大きな緑の炎が吹き上がる
それはあの騒動の始まりを彷彿とさせる、ディアソムニアの談話室で燃え上がった鮮緑の炎と同じ。全員の視線が一気に集まり、中にはまた何かが起きるのではと身構える者までいた
『『『!!』』』
不安が渦巻く中、広間を埋め尽くすほどに集まった大勢の生徒や教師たちの姿に、炎の中から現れたマレウスは嬉しそうに笑みを浮かべた
マレウス『これはこれは...ナイトレイブンカレッジの皆々様。本日は僕の招待に応じてくれたこと、深く感謝する。生徒も、教員も..皆お揃いで...ふふふ。僕の想像より、随分と華やかなパーティーになりそうだ』
『『マレウス様!』』
『わぁ...ツノ太郎、すごくキレイ』
ユウ『うん。服も飾りも綺羅びやかで..制服と寮服以外の服着てるの初めて見たから、なんか雰囲気変わるね』
銀の刺繍が施された黒の衣装。肩や腰、そして半分折れた角を纏う銀の装飾。額の甲殻がはっきり見えるほどかきあげられた髪留めはまるで王冠のようで、中心に填められた鮮緑の宝石が美しく光る
変わらず触れ難い威厳を感じさせつつも以前のような棘で突き刺す鋭さは丸みを帯び、柔らかさすら感じる
『まるであの時のお姫様みたい』
?『これ、マレウス。テンションが上がり過ぎじゃ。みなが驚いておろう』
シルバー『この声は..』
リリア『わっ!!』
『『『『うわぁっ!?』』』』
突然真後ろから驚かされ、すっかり油断していたエースたちの肩は大袈裟に跳ね上がり、グリムにたっては振り向くと同時に腰を抜かしその場に座り込んでしまった
そんな彼らの反応にケラケラ笑い心底大喜びしながら、逆さに浮かんでいたリリアは身を翻し床に降り立った
リリア『わっはっは!!久しぶりじゃのう、お主ら。元気にしておったか?』
グリム『リリア〜!ビックリさせんじゃねーんだゾ!』
リリア『すまんすまん。背中ががら空きだったので、ついな』