第110章 *終曲ディアソムニア*
セベク『ふん。多少は勉強してきたようだな、人間!』
『セベク、シルバーさん』
もう聞き慣れた上からの物言いに振り向くと、いつの間にか背後に立っていたセベクとシルバーはパチッと目の合うやいなや、徐ろに手を伸ばしほぼ無意識にレイラを撫でだす
『...♪』
『『『うわぁ..』』』
セベク『ん、なんだ?』
デュース『いや..セベクって、あれから本当にレイラに甘くなったなって思って..』
セベク『?』
エース『え、まさかの無意識?いやいやその手を見れば誰だってそう思うでしょ』
セベク『............〜〜っ//!!』
その視線を辿りレイラを撫でる己の手に行き着くと、途端に羞恥で顔を真っ赤に染め口をパクパクさせながらゆっくりと手を引いていこうとした
すると、その手を逃すまいと小さな温もりが重なる。見上げてくる深紅の瞳が"やめないで"と言わんばかりに寂しげに揺れ、このまま手を引けば確実にその顔を曇らせるかもしれないという予感に咄嗟に手を止めた
『もっと』
セベク『...ぐぅ//』
シルバー『..レイラ、体調の方はどうだ?無理をしてきてはいないか?』
『..ん、大丈夫』
セベク『も、もういいだろ。あいつらの視線が突き刺さってむず痒い』
『ん。ありがと。また後でたくさん撫でてね』
返事の代わりに離れ際に頬を撫でると、自分の無意識の行動の照れ隠しに、広間を見渡しかつての栄華を誇った野ばら城に思いを馳せる
セベク『野ばら城...かつての輝きこそ失ったが、佇まいには今なお揺るぎない気高さが感じられる。この場所をパーティー会場に選ぶとは、さすがは若様でいらっしゃる!』
エース『んで、その肝心な若様は?もうそろそろ0時だけど』
シルバー『いや...まだいらしていない。俺たちも早く元気なお姿を拝見したいのだが..』
ゴーン、ゴーン、ゴーン...!