第2章 始まり
いつかこの店を継いでお父さんを越えることが私の夢である。
(そのためにも頑張らないとっ!)
私は、お父さんのいる厨房へ向かった。
「お父さん、何をすればいい?」
「紅葉の大得意のレモンタルトを作ってくれ。やっぱりあれは、紅葉にしか作れないからな」
そう私が唯一お父さんを越えているものはこのレモンタルトなのだ。
このレモンタルトはお客さんに大人気なんだよ。
そしてしばらくするとお店の混む時間になってきた。
「よしっ!あとは、クリームをのせるだけ」
「紅葉ーちょっと来てくれないか?」
「透っ!あともう少しでレモンタルトが完成するから‼️」
そして急いでクリームをデコレーションして厨房を出た。
「紅葉遅いよ!」
「ごめんっ!」
お店のほうに行くといつもと同じくらい混んでいた。
私は、いつものように接客を手伝い始めた。
「あっ!ブランさん、いつものにしますか?」