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銀のヴィオラ 『ハリーポッター』

第31章 避けられる



という訳だ

ちなみに「匂いムラムラ薬」とは、ヴィオラが作った魔法薬である
本来は「匂い解消薬」という魔法薬だ
これは「愛の妙薬」をモデルに開発したもので、臭い匂いを一瞬で解消してくれる便利なもの
女子生徒に人気だったのは言うまでもない
そしてこの薬が失敗すると、逆にひどい匂いを発するようになるのである
いわゆる副作用だ
主に汗臭さやドブの匂いがするようになる
なので、ヴィオラは失敗した匂い解消薬を匂いムラムラ薬と名付けた

ジョージとフレッドはそれに目を付け「将来億万長者にしてやるから譲ってくれ!!」とねだってきたのである
もちろんそれは望まないので条件なしで譲ってあげた




スリザリン生からは、むせかえる程の臭い匂いがする

「うっわ、ひどい匂い
これじゃカバンに入ってるレポートも出せないねぇ」
「この女っ」
「あはは、解毒剤が欲しかったらグリフィンドール談話室へどうぞ〜!」

ヒラヒラと手を振ってスリザリン生から離れる




自分で言うのもなんだが、とんでもない薬を作ってしまった。


まあ、結果オーライだ




「ルーピン先生、来てください」
「え?」

腕を掴んで引き寄せる

そのままスリザリン生を放っておいて、裁縫室へと向かった
























ーーーーーーーーーーーーーーーー


「器用なものだね」
「ふふ、ありがとうございます」



さっきの匂い事件から一転

今は、裁縫室で2人きり



ヴィオラはというと、破れたジャケットを直せるかどうか確かめている


「やっぱり駄目ですね……、直せるには直せますが、多分もう上着としては機能しないかと」
「そうか…」
「すみません…」
「いや、君が謝る事ではないよ
私も、もう限界だと思っていたから」

そう、ルーピン先生は言った

彼の顔には諦めが浮かんでいる



「…………………」

限界だと思っていたのに、彼はこのジャケットを着ていた
毎日毎日、同じつぎはぎだらけのジャケットを着て、授業に出ていたのだ


いつも思っていた
どうして同じものを着るのだろう、と

金銭的に余裕がないせいだと思っていたが、ルーピン先生の顔を見る限り、余程この上着に思い入れがあるようだ




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