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銀のヴィオラ 『ハリーポッター』

第34章 恋情記 前編




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「懐かしいな
どれも良い思い出だ」

バックビークに乗りながら、昔を思い出す



あの頃は本当に良かった
あの時が1番輝いていただろう

家のしがらみに囚われ苦悩してきたが、ホグワーツにいると何もかも忘れられた
ホグワーツこそ、自分の我が家のような感じがしていたのだ




たとえ、ピーターが裏切り者だと分かっていても、4人で過ごしたあの日々は、憎むことなんて出来ない







「バックビーク、少し休もう」
「クァァ」

塔から脱走して数時間

見つからないように森に隠れながら移動してきたが、案外時間がかかってしまったのでバックビークが少し息を荒くしている

このままではバックビークが持たないので、岩場に隠れて休んだ



「ほら、水を飲め」
「クァ」

近くに川があったので、飲みに行くよう促す


その間、シリウスは岩の陰に隠れて休んだ



「ふぅ」


やっと人心地着いたような気分だ

ホグワーツはあまりにも広すぎるので、全部周るには何時間もかかる
まあ、その広大な土地のおかげで生徒達が伸び伸びと育つのだが






「これは……」

懐かしいものを見つけた


(驚いたな、まだ残ってたのか)


岩のすぐ近く

地面に刻まれていたもの




そこには、「マローダーズ」と書かれた字があった




ーーーーマローダーズ
それは学生の頃、自分を含めた4人で作ったグループだ
一緒に忍びの地図を作ったり、リーマスのためにアニメーガスの練習をしたり

これは、確か5年生の時だろう
皆でホグワーツを探検している時に付けたものだ














そしてそこには、ゴーストも1匹紛れていた

ヴィオラの花の髪飾りーーバレッタを髪に着けた、可愛らしい女の子が





「………」















それはなんとも、怒ったりすることの多い話だが






青くて

暖かくて

無様で




とても笑える






そんなへんてこりんな思い出だ















だってお前は










ーーーーーーーお前は私の、想い出なのだから




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