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銀のヴィオラ 『ハリーポッター』

第31章 避けられる




「ひどい…」

ミアが呟く

だがそれも虚しく、スリザリン生徒は全員さも面白そうに笑っていた

元々ボロボロだった上着は、今回破れた事でひどいあり様になっていた
つぎはぎだらけのジャケットはビリビリに破け、もう上着としては使えないだろう


だが

「………」

ルーピン先生は、破けた一部を大切そうに拾おうとしていた



しかし


グシャッ


「はは、こんなのよりもっとしっかりしたの着てくださいよ
屋敷しもべじゃないんだから」


拾おうとした瞬間、名前も知らないスリザリン生が破れたジャケットの布切れを踏み付けた

それにより、スリザリン生のうるさかった笑い声は、より大きくなった
もう、耳障りになってくる









プツン









大事な何かが切れた気がした











「マクゴナガル先生呼んでくるっ」
「待って」
「ヴィオラ?」
「待ってキャシー」
「「?」」


人を呼ぼうとするキャシーを制止する
それによりキャシーは止まるが、不思議そうにこちらを見た
ミアもユエンユエンもだ
しかし気にしない





「ジョージ!フレッド!」
「「なんだい我らが姫君?」」

噴水でリー・ジョーダンと雑談している双子に話しかける

「あのね…」
「……なるほどなぁ」
「いいぜ、面白そうだ」

コソコソと耳打ちした話の内容について、2人は悪い笑みを浮かべて楽しそうにしている

「リーも手伝って」
「ん?何だか分からないけど楽しそうだな!」
「報酬は俺らで決めるぜ?」
「……いいよ」
「「いよっしゃぁ!!」」
「んじゃよろしく〜」
「「おうよ!」」


スリザリン生に向かって歩き出す








「は?何あんた」
「どきなさいよ」


ドン

「きゃぁ!」

最初に目に付いた女子生徒をどかす
何が「きゃぁ!」なのだろうか
あまりにも大袈裟な反応は、一瞬でスリザリンである彼らの目を引いた



「うわ!」
「なんだよ!」


そのまま、肩を掴んだりして荒々しくどかしていく

今の自分には、加減する力なんてない
作り笑いは出来ても、きっと黒いものになってるだろう

リーも一瞬、こちらを見て目を見開いていたのだから




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