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銀のヴィオラ 『ハリーポッター』

第29章 悲しい偽り




『お怒りのようだな………』

「そんな事は…」

『まあいい、俺には関係ないからな
だが言っておく
お前のタイムリミットは17歳までだ
17歳のクリスマス
それまでに魂を取り戻さないと、「死との制約」のせいでお前は死ぬぞ
前世の、お前の知ってる記憶も所詮記憶だ
人間は忘れる生き物
だから、全て忘れる事になる』

「………………………」

『どれもこれも、全部お前次第だ』






そう言って、ルブリスは消えた

また意味不明な言葉を残して




「はぁ………」

またため息が出る

これ以上は本当に幸せが逃げそうだ













「かぼちゃジュースでも飲もうかな…」


幸い、談話室には不自然なくらい誰も居ない

だから本を落としても、騒ぎにはならなかった



(………………)



本を直していく

コップも、割れていなかったので机の上に置いていく


その時



パタパタ

「ん?」

足音だ

それも1人じゃない


(誰だろう?)


すぐに答えは出た

「ハリー?」
「グズッ………ヴィオラ?」

ハリーだ

大泣きしたのだろう
目が腫れて赤くなっている

「どうしたの?」
「何でもないよ………」

なんでもなくない

それは明らかだ


「何かあったんでしょ?」
「………………」
「話せない?」
「……………」
「…………」

やはり話してくれない

聞かれたくはないのだろう

まあ、予想はついている



「シリウス・ブラック?」
「!」

当たったようだ

ハリーが目を見開く


格好からして、外に出たのは分かった
それがどこかは知らないが、足元に雪が残っている


「ホグズミードに行ったんだ……」
「うん」
「大臣の話を聞いた」
「うん」
「シリウス・ブラックが、僕の両親を殺した事も」
「うん…」

やはりあの役立たずの魔法大臣の話を聞いたようだ

彼の真実ではない話を


思い出したのか、ハリーが泣き出してしまう

「ハリー…」
「ッ殺したいよ……僕はブラックを殺すッ
絶対ッ、父さんと母さんの仇をッ……」




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