• テキストサイズ

花達と蕾

第3章 お仕事


蕾side

志「それより、そろそろ時間じゃないん?」

若紫さんの一言で他の3人がハッとして時間を確認する。

浦「もうこんな時間か。全員支度は出来てるな?…よし、んじゃ下に降りるぞ。もちろん蕾もな」

渉に手を引かれて来た場所は、最初に渉と話をした部屋だった。

蕾「ここで今から何が始まるん?」
浦「今から始まるのは昼見世でありんす。と言ってもただここに座って、喋ったり三味線弾いたりするだけで、あなたはそのお相手をしておくんなんし」

この部屋に来て渉の言葉遣いが遊郭の言葉遣いに変わった。という事は、これも表を行き来する人々に対する売り込みの一つであると分かる。

千「せっかくやし、蕾さんの事を教えておくんなんし」
蕾「うちの事ですか?」
坂「ええ提案でありんすね。わっちも聞きたいでありんす」

元々色っぽかった笑みが更に妖艶になった早百合さん。先程の無邪気な笑顔は消え、妖艶な笑みへと一変した優君。
2人の雰囲気が変わったことで、うちの心臓が初めよりも五月蝿く鳴りだす。

蕾「で、では、何なりとお尋ねください。出来る限りお答えします」




お喋りする事約4時間。
正直、人間こんなに長時間話せるものなのかと唖然。
話し上手な人達が相手だったからとは言え、普通ではありえ無いほど話し続けて喉がカラカラだ。

千「蕾さん、喉乾いたやろ?もうすぐお昼ご飯出るで、少しだけ待っとってな」
蕾「あ、はい!ありがとうございます」
千「ふふ、敬語なんて使わんでもええのに。それに千良も名前で呼んで欲しいなぁ」
蕾「えっと、その…早百合さんはどうしても年下に見えへんくて…」

さっきの時間でお互いの年齢を知った。
渉と若紫さんが1歳上の20歳、優君と早百合さんが1歳下の18歳と聞いた時は頭に小宇宙が出来上がり、

蕾「え(こんな色気を持った同世代知らんし住む世界ちゃい過ぎやしどういうことなん3人とも笑てるけど笑えんよ??)」(この間1秒)

とまぁ、こうなった。神様って不平等。
話を戻すが、年齢が分かったとてその年齢にそぐわない色気を持つ早百合さんには、どうしても畏まった言葉遣いになってしまう。(優君も勿論色気はあるが、彼は「可愛い」が強い)



千「ほな、坂田みたいに可愛くお強請りしたら、敬語外して「千良」って呼んでくれる?」
/ 14ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp