第3章 お仕事
浦田side
坂「蕾!もう1回名前呼んでや!」
蕾「優君?」
俺の時はあんなに渋ってたくせに、何で坂田は名前で呼ぶんだよ。
坂「えへへ〜♪蕾の声で呼ばれるんなんか嬉しい〜♪」
蕾「そう…?」
坂「うん!」
坂田はニヤニヤしすぎだし、蕾は蕾で坂田の天然系あざとさに戸惑いながらも何か嬉しそうだし!!
坂「なぁなぁ、ギュッてしてもいい?」
蕾「え、それは、あの」
浦「坂田、それ以上は許さん」
蕾を庇うように2人の間に割って入る。
邪魔せんといてやうらさ〜んとごねるが知らん。
浦「蕾は俺の付き人なの。主人の俺に断りなく触れるの禁止」
坂「うらさんだけズルい〜俺も蕾に付き人になって欲しい〜」
浦「うるさい騒ぐな黙れ」
その口、縫い付けてやろうかと考えたが坂田の商売道具が無くなるのは惜しいので途中放棄した。ら…
千「坂田の言う通り、うらたんだけって言うのは狡いんちゃう?僕やって付き人欲しいもん。まー…若紫は多分要らんやろうけど」
志「うん、俺はいい」
思わぬ伏兵がいた。と言うか、うっかりまーしーって言いかけたなこいつ。まぁ、まーしーは色々あるからな。むしろ今はそれが有難かったりする。
しかし、まさかセンラまで出てくるとは思わなかったな…。
すると、今まで黙っていた蕾が声を掛けてくる。
蕾「なぁ、渉」
浦「ん?何だ?」
蕾「付き人の仕事って簡単なんやろ?やったらうち、3人でも頑張るで?」
浦「いや、簡単な仕事でも最初から3人分は大変だから」
蕾「ほな、少しずつ増やしていったらあかん?雇ってもらっとる身やし、ほんまはあんまワガママ言うたらあかんのかもしれんけど、慣れたら3人分やるっていうんじゃあかん?」
本人は意識していないんだろうけど、上目遣いでお願いされたらダメって言えねぇじゃん!
浦「…わかった。その代わり、少しずつだからな?無理だって判断したら俺だけの付き人のするから」
蕾「わかった!」
坂「わーい!うらさんありがと〜!蕾、頑張ってな!」
蕾「うん!頑張るな!」
千「無理したらあかんよ?少しずつ慣れていきや」
蕾「はい!ありがとうございます!」
坂田と嬉しいねなんて言い合いながら、またわちゃわちゃし始める。今はまだ俺のなのに。
千「あんま独占するとまた嫌われるで」
浦「んな事くらい分かってるっての…」
わかってるよ…。