【文アル×FGO】誰ですか、図書館に賢王様を呼んだのは?
第2章 ギルガメッシュ王、潜書。
「フハハハハハ! 見たか雑種、あの鮮やかな宝具捌きを! さすがは至高の王たる我の……」
「はいはいはいそういうのは後で聞きますから!」
私は叫ぶように一気にまくしたてた。「王に向けてその言葉遣いはなんだ」とか何とか聞こえてくるが、返事をする余裕はない。こちとら普通の人間である。全速力で走りながら会話など出来ない。
「侵蝕者を倒す」と言って聞かないギルガメッシュを宥めながら、私はここまで進んできた。
だが実際に侵蝕者が現れてしまうと、武装ゼロ戦闘能力ゼロの私はやはりギルガメッシュに頼るしかない。そしてギルガメッシュは実に頼りになる存在だった。侵蝕者を倒す度にドヤ顔を決めてくるので褒めるのがだんだん面倒になってくるのが玉に瑕だが。
ではなぜ走っているのか。簡単だ。侵蝕者がめちゃんこ速いからである。一匹を片付けていると他の侵蝕者が背後から攻撃してこようとするし、まとめて片付けようとしてもさすがのギルガメッシュも宝具を連発することは出来ない。だから、何匹か始末したらこうして全力疾走で逃げているのだ。
侵蝕者が見えなくなったところで、木陰に隠れて休憩。
「ちょっ……侵蝕者……多すぎ……」
私が息を切らしている横で、ギルガメッシュは涼しい顔をしている。そう簡単には疲れないサーヴァントの特性が羨ましい。
「雑種。どれだけ倒しても出口らしきものは見当たらんぞ」
首を傾げたギルガメッシュに、私は息を切らしながら答えた。
「侵蝕者には……ボスがいるんで、それを……倒せば、有碍書から出られると、思います……」
私の説明に、「それを早く言わんか!」と雷が落ちる。
「侵蝕者の長を倒せば出られるのだな」
念を押すように問いかけるギルガメッシュに、こくりと頷いてみせる。
「こうしてはおれんな」
木陰から出ていこうとするギルガメッシュに「どこ行くんですか」と投げかける。
「決まっているであろう。侵蝕者の長を倒しに行く」
こちらを振り向きもせず歩き出してしまうギルガメッシュを、私は慌てて追いかける。
「ちょっ、王様休憩はしないんですか?」
「休息などサーヴァントには不要だ」
「人間の私への配慮!」
文句の多い奴だ、とため息をつくギルガメッシュに私は若干の殺意を覚えながらついて行った。