【文アル×FGO】誰ですか、図書館に賢王様を呼んだのは?
第2章 ギルガメッシュ王、潜書。
司書が消えてから1週間が経った。
特務司書としての業務は、アカやアオ、館長が行うようになっていた。
文豪たちも、以前とはすっかり様変わりしてしまった。ただ黙々と潜書を行い、補修。食事も一応とってはいたが、味わうような余裕は無かったし、食欲が無いからと断る者もいた。それが終わると、各自部屋に戻る。食堂で楽しく飲み交わしたり、中庭で駆け回ることも、しなくなっていた。
決して誰も口には出さなかったが、皆が思う事は同じだった。
もう司書は戻ってこないんじゃないかと。
「王様ー待ってくださいよー」
「たわけ、一刻も早く戻らねばならんこの状況で待つヤツがあるか」
そう言ってギルガメッシュはすたすた進んでしまう。
あれ以降、数匹の侵蝕者を倒してしまうと、もう新たに出してくることはなかった。なのでこうして歩いてボスを探している訳だが、やはりここでも人間とサーヴァントの体力差が顕になる。どれだけ歩こうと、ギルガメッシュは疲れた素振りも見せない。当然、私に休息を与えてくれるわけでもなく。諦めてゆっくり歩いていると「たわけ!」とお叱りが飛んでくるので、私は無い体力を振り絞ってギルガメッシュの元まで全速力で走る。
「てか、少しはマスターを気遣うとかそういうのは無いんです?」
「あると思うか?」
「……すいませんでした」
だが、そこはさすが賢王である。最初は全速力だった私の走りが段々貧弱になってくると、歩くスピードをだいぶ落としてくれた。おかげで、ようやく並行して歩くことができる。
どれだけ歩いただろう。
段々、あたりに黒い霧がうっすらと漂うようになった。空気も冷えてきて、なんだか不穏な空気である。
「寒い……王様、そんな格好で平気なんですか」
「当然だ」
「無茶しちゃ駄目ですよ、私の上着着ます?」
「貴様も侵蝕者と同じ目に遭いたいのか?」
「すいませんでした」
──その時。
突如、辺りに立ち込めていた黒い霧が一点に集まった。それは見る間に塊となる。侵蝕者だった。真っ黒な服装、手には鞭。私達が「死の渇望」と呼んでいた者だった。
「王様、これがボスです!」
私が叫ぶと「やっとお出ましか」とギルガメッシュが一歩踏み出す。
「雑種は下がってろ」
私は素早く近くの茂みに飛び込み、隙間から顔だけ出す。ギルガメッシュがおもむろに左手を上げると、手元に斧が現れた。
