【文アル×FGO】誰ですか、図書館に賢王様を呼んだのは?
第1章 多忙な日々
「王様。川端康成ってご存知ですか?」
問いかけながらも、私は川端から目を離さない。突然槍玉に上がった川端は驚いたように私を見ている。
「ああ……カルデアの奴らが何やら騒いでいたな」
そういえば本好きの職員やサーヴァントたちがよく文学談義で盛り上がっていたなと思い出す。
「王様、参加してたんですか」
ギルガメッシュが文学談義に参加するとは、と驚いていると「違うわたわけ!」と鋭いツッコミが入る。
「食堂でも廊下でも騒ぎおって、嫌でも耳に入る。内容も覚えてしまうというものだ」
なるほど、と私は心の中で頷く。
「それがどうした。我と川端康成に何の関係があるというのだ」
いいえ、大ありですよ、王様。
「横光。なんで王様から川端に似た気配がしたか分かった」
私の発言に「本当か!」と横光が目を見開く。
「声が似てるのよ」
私が言うと、「言われてみればそうだな」と花袋が頷く。
「最初に有魂書のなかで会った時、どこかで聞いたような声だと思ったんだよ。そうか、川端か」
しみじみと頷く花袋に、いつの間にか徳田までもが同調していた。
「言われてみると似てるね、たしかに」
川端だけが、「……そんなに似ていますか」と首を傾げていた。
「雑種、こやつと我のどこが似ているというのだ。輝きが違うであろう、輝きが!」
「……私は……このような喧しい者などとは違いますから……」
「言ったな貴様」
ギルガメッシュに歯向かうなんてなかなかのガッツである。まさかあの大人しい川端がここまでメンタルが強いとは。私が心の中で拍手を送っていると、横光が「とにかく、川端に似た気配のした原因は分かった」と話題を切り替えた。
「それで、どうするのだ」
どうする、とは? と私が首を傾げていると、徳田が「だって、司書さん帰れないでしょ」とギルガメッシュに向き直る。
「今図書館は、現代文学まで侵蝕されて大忙しなんだ。こんな事は今まで無かったからね。正直、司書さんが帰れる余裕は無い」
せっかく来てもらって悪いけど、と徳田がローテーブルに視線を落とす。
「無論、そんな事は我も分かっている。何、他のサーヴァントがあまりに心配して喧しいから見に来てやっただけよ。今カルデアに戻っても、する事といえば我の小間使いくらいのものだ」
まあ普段から小間使いのようなものだが、とギルガメッシュはおもむろに立ち上がった。
