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【文アル×FGO】誰ですか、図書館に賢王様を呼んだのは?

第2章 ギルガメッシュ王、潜書。


侵蝕者が鞭を振るう。ギルガメッシュが斧でそれを払う。時折、隙を見て粘土板を使おうとするも、その隙を侵蝕者は見逃さない。粘土板を奪われないようにするのがやっとである。
茂みの中から見守ることしか出来ない私は、ただただ息を殺す。
その時だった。ギルガメッシュが突如、焦ったような顔になった。こちらを振り向く。
「雑種!」
ギルガメッシュの声が聞こえるが、私の鈍い反射神経では逃げることもままならない。侵蝕者の鞭が、一直線に私めがけて振られる。やばい。これは死ぬ。私は思わず目をつぶった。
と、すぐ横で鈍い音がした。明らかに鞭ではない音だ。そして、いつまで経っても鞭は飛んでこない。恐る恐る目を開けると、私のすぐ横──木の幹に、ギルガメッシュの斧が刺さっていた。根元には、千切れた鞭の先端。侵蝕者は、鞭を切られたせいでかなり怒っている様子だ。
「走れ!」
私は弾かれたように立ち上がり「はい!」と一目散に逃げ出す。走りながら、王様はどうするのだろうかとふと思う。でも、そんな事を考えている暇はない。
やがて、霧の晴れた広い野原へと出た。私は膝から崩れるようにぺたりと座り込む。静かだ。誰かの気配も、侵蝕者が来る様子もない。息を整えて、ゆっくりと考える。
ギルガメッシュが侵蝕者を倒せば、私たちは帰れる。
でも──もし、負けたら?
そんな考えがじわじわと心を蝕んでゆく。私は、頬をぱちんと両手で挟んだ。
「しっかりしなさい、……特務司書でしょ」
私はゆっくり立ち上がり、深呼吸。
こういう時は、無理をしてはいけない。身も心も疲れている。まずは、身体の疲れを取らなければ。
私はあたりを見回した。一際大きな木が目につく。真っ直ぐな、立派な木。あそこなら休めそうだ。
私は木の幹に虫が這っていないことを確認してから、地べたに座り、幹に寄りかかった。目を閉じる。少し休むだけ。そう思って目を閉じたのに、私はいつの間にか眠ってしまっていた。
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