第1章 きっかけは勘違い(前編)
「、これの意味はわかるか?」
ドヤ顔で女の子の上に書いてある『NPK』を指差す。
「窒素、リン酸、カリウムでしょ」
農業科学科なら授業の最初で習う単語。わからないわけがない。
「48ってのが良くわからないけど、NPKならパッと思い浮かぶよ」
「だよな~」
何だろう、西川くん機嫌がいいみたい。いつもは飄々としててあまり感情も表に出さないのに、大変でも好きな事してる時は楽しいんだろう。
「ねぇねぇ、私も手伝えないかな」
「そうだな……じゃあこっちの部分を手伝ってくれ。ソリ部分の丸や星の中を塗りつぶす」
「それならできそう。頑張る」
漫画を読むのは好きだけど西川くんみたいに描くことはできない。けど、色を塗るならはみ出さずにできる。
「ほら、ペンキ」
「うん!」
作業着の袖を腕まくりして床に膝をつくと、枠で描かれた丸に同じ色のペンキで塗っていく。