第2章 きっかけは勘違い(後編)
「やったぁ、池袋店限定マグカップ! ありがとう西川くん!」
これ欲しかったんだよね、通販じゃやってないし東京まで買いに行けないからさ。本当に頼んで良かった。
大好きなキャラの絵が描かれたマグカップを見て喜ぶ私の周りからため息が聞こえる。
「そういやもオタクだっけ」
「からかってやろうと思ったのに、期待外れだな」
「つーか西川にそんなの頼むとか逆に酷いね、も」
あれ、なんだか私が批判されてる?
「だって欲しかったんだよ」
「いくら頼まれたからって、男がそんなキラキラした男の絵が描いてあるマグカップとか買うの恥ずかしいでしょ」
う~、でも欲しかったし……
「まぁまぁ、俺くらいになると平気なんだよ。いかにも土産ですが何か? って顔するしな」
言い返す私との間に入った西川くんはドヤ顔で胸を張る。
「あんたがそう言うなら私らは何も言わないけどさ~。ちゃんとお礼言っときなよ」
「うん!」
呆れられたけど何とか解放された。興味は他の事に移ったらしい。
そりゃ私だってすごい感謝してるよ。こんなのお願いできるの西川くんしかいないんだし。