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影に生まれた私

第2章 始まり


夢主side
“一緒に行く”

危うくそう答えるところだった

そこで私は初めてその男の目を長い前髪の奥から見た

『信用できない。』

紫水晶のような色の瞳が見開かれる

『名前を教えてくれても、それが本名とは限らない。
 
今の私の状況よりも酷い環境に行くことになるかもしれない。

人身売買の商品にされるかもしれない。

私のこの体の傷のことを見抜いただけでは信用できない』

そう言えば、満足げに森という男は微笑んだ

森「賢い子は嫌いじゃないよ。

なら私の正体を言おう。ポートマフィアの現首領だ。

君みたいな子供でも、ポートマフィアという組織名ぐらいは聞いたことある

だろう?」

ポートマフィア、今現在、3つの組織との抗争を夜な夜な繰り広げる

裏社会を牛耳っていた存在。

このご時世に、ポートマフィアの首領の名を名乗る何て命知らずは

存在するとは思えない。

森「ポートマフィアに来るか否かを決めるのは後で構わない。

私にとっては君からの信用を得る方が何倍も重要なことだ。」

そう言って森鴎外は、私に拳銃を手渡した。

森「そこにある車に乗ってくれないかい?

ポートマフィアの本拠地へ連れて行こう。

そうすれば私がポートマフィアの首領であるということは信じてもらえるだ

ろう?

あと、車に乗っている間や、本拠地へ着いてから私のことを不審に思ったら

その拳銃で私のことを打ってくれてか構わないよ。」

自分の手の上にある拳銃の重みを感じながら話を聞く。

自分の事を打っても構わないとまで言えるなんて、自殺志願者か、

事実を言っているかのどちらかに限られる。

『わかった』

私はそう言い、車のある方向へと進む。

森「ところで、その拳銃の安全装置のはずし方は知っているかい?」

そう声をかけられ、頷けば

森鴎外は満足そうに微笑んだ



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