第2章 始まり
夢主side
突然、黒い何かの中に沈んだ
そういう表現が一番正しいと感じた
重力とか、空気とか、世界の理ともいえるものがないような空間にいた
願いが叶ったという喜びよりも、恐怖の方が勝り、ただひたすらに
自分の体の上の方へと手を伸ばすことしかできなかった
しばらくその状態でいると誰かの大きく温かい手が私の手を掴み
引き上げた
驚きのあまり目を瞑り、次に目を開いた時には、地上にいた
目の前には、両親よりは少し若いと思われる成人男性が、
私の手を掴みながら立っていた
?「君、ちゃんとご飯食べているかい?軽すぎるよ」
唐突に問いかけられる
『あ…えっと、』
男は微笑みながら言った
?「何が起こったのかわからない、とでも言いたげな顔をしているね。
私は森鴎外と言う。私は君の体に何が起きたのか説明してあげることができ
るし、力の使い方を教えてあげることもできる。」
そう言いながら、男は私の着ている学校の制服の袖をまくりながら言う
森「君を恐怖から逃してあげることもできる。」
『⁉︎』
そこにあったのは、無数の痣だった
森「どうする?私と一緒に来るかい?」