• テキストサイズ

影に生まれた私

第2章 始まり


横浜という、地で、ある夫妻の間に1人の娘が生まれた

その娘は、両親に愛されながら健やかに育っていくはずだった

その娘は亜麻色の髪だった

その娘は碧眼だった

日本人同士の間に生まれたものの、異国人のような見た目の少女は

物心つく前から、虐げられるようになってしまった

笑わないで

泣くな

喚くな

嬉しそうにするな

気持ち悪い

あんたの目が嫌い

お母さんなんて呼ばないで

お父さんなんて呼ぶな



これらの言葉は、娘にとっては当たり前にかけられる言葉だった


娘が10になった頃から父親は娘に手を出すようになった


殴る蹴るは当たり前のことだった


ある日、耐えきれなくなった娘は、家の前で立ち竦んだ

“あの人達が、絶対に来れない所へ行ってしまいたい”

14になった頃、少女はそう願った

叶うわけのないその願いを頭に浮かべたとき

不意に娘の足が自身の影の中へと沈んでいった

『⁉︎』

娘が驚いてしまっている間に、娘の全身は影の中へ入っていた。














ポートマフィア、首領に就任したばかりの森鴎外は

期せずして、閑静な住宅街でその少女を見つけた


/ 9ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp