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もう一度、あなたと【リヴァイ・エルヴィン】

第4章 もう、離さない


オレは、化け物だと罵られるのが怖かった。

幼いころ体験したことが原因だ。

あの経験はオレの人生の中でこれ以上ないほど苦痛だったと思う。




ギリ…

思わず歯ぎしりをしてしまう。




オレは、怖い。

化け物だと罵られることが。

恐ろしくてたまらない。

あの惨劇が招いてしまったリヴァイとの別れ。

分かっていた。

自分は化け物で、人を殺すことも厭わない。

自分は弱虫で、幸せな生活も守れない。



だから、強くなった。

師に教わったこと一からやり直して、体術も誰よりも強くなれるようにと色んな奴と戦った。

今、オレの周りにオレより強いやつなどいない。

でも、もっともっと、もっと…

強く、強く。






今、ここにいるのは、昔の弱い自分と決別するため。

弱くて、もろかった自分をあざ笑うため。

だから、リヴァイはここにいなくてもいい。

いちゃいけないんだ。

便箋につづった。

"オレのことはすべて忘れてください"

石を入れたのは、何故かわからない。

だけど、入れるべきだと思った。

埃だらけの机の上に、その箱を置いた。

そして、オレはその部屋に踵を返し出ていこうとした。

空いた出口には、人が立っていた。

刈り上げで、パーカーを着ていて、小さいけどオレよりはでかい。

リヴァイによく似ている。

もしかしたらリヴァイかもしれない、そんなことを想っていた矢先だった。

彼は驚きを隠せない表情でつぶやいた。

「…」

「リヴァイ…?」
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