第2章 成長
セントラル郊外の北部に近い町の、ほんの少し裕福な家が私の家。
「こら、!また散らかして!散らかすだけなら捨てちゃいますよ!」
今日もママが私を叱る声がする。
「ごめんなさい!捨てちゃいや!」
「なら自分でちゃんと片付けなさい!もう12歳なんだから!」
「はーい…」
ママに言われた通り部屋を片付ける。床に散らばる雑誌を本棚に押し込んで、洋服をハンガーにかけてクローゼットに並べ、落ちたぬいぐるみ達をベッドの上に放り投げる。
教科書やノートはいっつも綺麗に片付けられるのに、どうしてほかのものは出来ないんだろう。
ベッドの上で、放り投げただけのぬいぐるみ達を枕元に試行錯誤しながら並べていく。
どうもしっくり来ない、と思って唸っていると、下からママが呼ぶ声がした。
「ちゃんとお片付けできた?」
「した!すごく綺麗に!」
本当かしら、なんてくすくす笑うママの手にはパイの乗ったお皿が乗せられていた。
「ティータイムにしましょう」
「やったー!」