• テキストサイズ

夜明けと共に

第3章 違和感


へし切長谷部が顕現されて三ヶ月が経った。

長谷部「…」

長谷部は不満を抱えていた。


宗三「戦に出たい…ですか」

その不満を同期である宗三左文字に吐き出していた。

長谷部「俺は早く主のために強くなり尽くし、いつまでも傍にいたいのに…」

宗三「傍にいるじゃないですか」

長谷部「そういう傍にじゃない、…近侍になりたいのだ」

宗三「そうですか」

長谷部は机に置かれた湯のみに手を伸ばし中のお茶を飲む。

長谷部「お前はどう思うんだ…?」

宗三「何がですか?」

長谷部「戦の事」

宗三「…確かにこの本丸は変わっていますね。
余り出陣しないタイプの主じゃないですか?僕は穏やかにお小夜と江雪兄様と一緒に入れて良いのですがね」

長谷部「…」

宗三「でも…、僕達は刀ですから、あの戦が耐えない時の刀ですから…でもまぁ僕は籠の鳥でしたがね」

長谷部「…すまない」

宗三「今更ですよ。気長に待ちましょう」

そう言って宗三は湯のみに手を伸ばしお茶を飲んだ。実は彼も違和感を感じていた。この本丸や主の蓮月について…。

宗三「さて、僕は部屋に戻ります」

長谷部「あぁ、すまなかったな」

宗三「別にいいですよ」

宗三は立ち上がり、長谷部に背を向け部屋へ戻って行った。
/ 51ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp