第13章 御守り
「流石機動力お化けだな。」
声がした。振り向くと、小夜を大事に抱き抱える陸奥守と手を挙げ笑顔を見せる鶴丸がそこにいた。
陸奥守「おんしゃあ、まっこと…無事で良かった…。」
陸奥守は今にも泣きそうな顔をしている。だけど、ニッと、蓮月に向け笑顔を見せた。
「あっ!小夜を!!」
鶴丸「大丈夫、こいつが守ってくれた。」
鶴丸がヒラヒラと小さい物を振りながら見せた。
よく見ると、布が切り裂かれている御守りだった。
小夜は何も武装をしてなかった筈なのに…。
鶴丸「…実はな、あの日…。君が長谷部に渡した御守りを長谷部は小夜坊に渡してたんだ…。」
「え…。」
鶴丸は歩み寄り蓮月の手を取る。そして掌に破けた御守りを載せた。