第12章 守る
蓮月はただただその光景を見てることしか出来なかった。
相手の息の一つさえもさせない程の機動力。そして冷静且つ冷淡な表情。
これがへし切長谷部…。
小夜の戦闘姿も見たがこれが戦う彼等の本当の姿。
刀についた血を振り落とし鞘に収める。
そして蓮月に近づくと、突然蓮月を抱き締めた。
「っ!?長谷部!?」
突然の事に混乱してしまった。
長谷部はただただ蓮月を抱き締める。
長谷部「…ご無事で…良かった…。」
やっと出た声は先程とは違い、とても弱々しく感じた。
長谷部「主…あぁ、本当にご無事で…!」
また、蓮月の目から涙が零れた。
長谷部はやっとゆっくり離れ蓮月と目を合わせる。
長谷部「戻りましょう、本丸へ…。もう貴方に襲い掛かる敵は全て消えましたよ。」
蓮月は涙を流しながら頷いた。