第12章 守る
ガキィイイインッーーー。
刃と刃が激しくぶつかり合う音が響き渡った。
キィンと名残惜しそうに消えていく。
襲いかかってくる大太刀の刃を蓮月は受け止めたつもりだった。
だが、刀には何も感覚がない。つい目をつぶってしまった為現状が分からない。だが確かに、刃物がぶつかる音が聞こえた。
恐る恐る目を開けてみる。
蓮月の目に映したのは…。
想いを寄せたまま伝える事が出来ず、自分のせいで消えてしまった彼の後ろ姿…。
金色に輝くストラがと紫色のカソックが風に靡く。
「お待たせ致しました。」
凛と落ち着いた声。その声につい、涙がこぼれ落ちた。
「長谷部…!」
長谷部「我が主」
目の前には、愛しい彼が我が刀で刃を受け止めていた。