第9章 過ち
時は二年ほど前、この本丸は今と違いとても賑やかだった。
「私も手合わせする!」
長谷部「駄目です。主は書類をお願いします。」
「後でやる」
長谷部「今です」
蓮月の前に立ちはだかる壁は一振目のへし切長谷部。
第一部隊の隊長でもあり、蓮月の近侍であった。
顕現された日から長谷部は誰よりも努力をし、初期刀の陸奥守を抜かしてしまう程成長を遂げた。
それは全て主、蓮月の為にと。
宗三「長谷部、一回でも良いから相手してみたらどうです?」
この宗三左文字も一振目であった。長谷部との力は及ばないが、主を思いそばに居た。
「良いことを言うね宗三!!」
宗三「身に染みる程こてんぱんにしてやればいいのですよ。」
「良くなかった。」
陸奥守「まーたおんしゃあはグズってぇ〜」
「そんなグズるとか子供じゃないし…」
宗三「グズってるじゃないですか。今まさに」
「…仕事します」
どんなに大変でも苦しくても、みんなと手を取り合い前へ前へ進む日々を送っていた。
でも、時には立ち止まることも大事だと、気づくのがとても遅かった。