第7章 北門
小夜「…何で刀を持っているの…?」
小夜が蓮月が持っている刀に気づいた。
「一応念の為ね、ほら私小さい時から両親に剣術習ってて腕には自信があるんだよ」
小夜「…確かそうだったね」
一度、自信があるから自分も手合わせしたいと男士の前で言い出したが皆に止めらている。
主の剣術裁きは誰も見たことがないまま終わっている。
小夜「…別にあなたは強くならなくてもいいと思う…。」
「どうして?」
小夜「…僕…たちがいるから…」
「小夜ちゃん…」
小夜「…その言い方、久々だね…」
「あ…」
小夜「あれ以来…変わっちゃったかと思ったよ。良かった…」
「本当ごめんね…。」
小夜「…いつもそうやって謝るよね…。」
「…」
小夜「あなたは少しづつ前を向いているの、皆気づいてる筈だよ。…僕は気づいてる…だから…」
「…私頑張るね、ありがとう小夜ちゃん」
小夜「…別に……。」
小夜の優しさに胸が熱くなった。
でもまだ、まだ自分は…。無力だなと思ってしまう。
早く、この気持ちが少しでも和らぐことを祈るばかりだ。