第1章 1#
「どこがいいか教えてな」
更に深くまで進み快感の在処を探す。
「あ…声出してもええけどバレんように」
『んん…あ…あぁ』
「ええところみたいすね」
緩やかに動き刺激していくと蜜の混ざり合う音がする。
「すげえ濡れてきた…」
彼の方も興奮しの胸へと手が伸びていた。
『あ!ああ…』
「声大きいて」
奥を強く突くと悩ましげに啼く彼女に自分の方が熱くなっていく。
『ん!あ…っん…んん!!』
ビクビクと震える彼女からジャージを剥ぎ取った。
「俺が謙也さんとか無理」
『ん…!』
すぐ口付けられ最奥を掻き出される感覚が脳髄へ辿り着く頃。舌先を掬いとるキスに快感の逃げ場がない。
『んん…っん、ふ、んんん!!』
彼の腕を両手で握り胸へ上半身を預けながら最果てへと上り詰めた。脱力しつつも顎先へ手を添わされ暫く唇は捕らわれていた。
「すごい締まり…」
『ぅ、あ…っもうむり…』
達したばかりで内壁の刺激に耐えらない。
「こっからが更にええんすけどね…今日のところは許したります」
指に光る愛液を舐めとる様が恥ずかしくてみていられず俯いた。
「先輩…誰にでもそういう顔見せるんはいかんやん」
涙の滲む瞳で彼を見上げる。
「そういうとこ。脅した俺が悪いけど」
傍にあるティッシュを取り出し秘部を、変な気分から抜けないまま拭き取られた。
「…謙也さんならこの場を見つけてもこんな酷いことせん。俺だけすから安心してください」
きっとそうだろう。好きでいる自分もよくわかる。それと同時に、何となく寂しくも思えた。
「ええんすよ…いつでも俺を呼び出して。謙也さんの代わりでも…今日の快感は忘れられんと思うし」
仮にそうだとしても彼にねだれる訳などない。次に会った時、どんな顔を貼り付けるべきかもわからない。
『ねえ…何で今日うちの教室に…?』
「謙也さんがジャージ忘れた言うから。俺がパシられたんすわ」
嘘だ。彼が使いっ走りなんかにされるわけが無い。
「あ、嘘なんバレてんな」
顔に出ていたらしく何ともいない表情をしてしまう。
「先輩がおったら会いたいな、思っただけ」
長い髪に口付け、それじゃ。とジャージを片手に教室を出ていく財前の背を目で追う事しか出来なかった。
たった数十分の出来事が夢のようだった。