第12章 勇気(跡部景吾)
「あのなぁ、そんなんで俺様が引くと思うか?」
「……でも」
「でも、じゃねぇよ。俺はそんなもん気にしねぇ。言ったろ?お前自身が好きだと。」
目の前の跡部の表情は少し悲しそうで。頼華は息が詰まった。
「…あ…!!」
跡部はワンピースの胸元、フリルのあしらわれた部分に手を伸ばした。それを少し下にやると頼華の胸元に真一文字の傷が。小さい頃は大きかっただろうそれは今は頼華の右胸に10cm程の傷になっていた。それにちゅ、とキスを落とす。それはまるで慈しむように。
「…お前の痛みも全部寄越せ」
俺様発言に頼華は涙目になりながらも跡部の頭を胸元に抱き込んだ。それを合図とするかのようにふたりはお互いに唇を合わせる。どんどんと深くなるそれに頼華の頭は酸素が回らずくらくらしだす。跡部の背中をとんとんと叩けばゆっくり離れていった。
「…っ…はぁ」
「…可愛い」
「!!…もう…!」
照れる頼華の体の至る所にキスを落としながら胸の膨らみに辿り着く。下着諸共取り除けば桃色に熟れた頂きが。跡部が刺激を与えると頼華は可愛らしい声で鳴く。
「あ、っ…んぅ…ふ…」
その声が跡部の脳髄を刺激する。大腿を擦り合わせるようにしている頼華の付け根に手をやればそこはもう下着の上からも分かるくらい濡れそぼっていた。
擦るように手をやればぴくぴくと反応する頼華。先程より更に熟れたそこに指をいれてやれば意図も簡単に飲み込まれた。
「あぁ…っ!」
「…2本、入ったぜ?」
「ん、やぁ、っ…言わな、いでぇ…!」
一生懸命跡部の指に応えようとする頼華の声を誰にも聞かせたくはないと己のそれで塞いだ。
「ん、ふ、っ…」
舌をちろちろと絡めてくる頼華のそれを自分のそれで深く絡めとる。口を離すと恍惚な表情の頼華に跡部は自分の欲望がぴくりと反応したのがわかった。
「…そろそろいいか…?」
「ん…跡部くんの…いれて…?」
赤く染った頬に涙目の頼華。跡部は自分のそれに手早くゴムを付けると頼華のそこに埋めた。ズブズブと己の中を押し分けながら進んでくるそれに頼華は子宮がきゅんと疼いた。