第22章 彼と彼女の事情(跡部景吾)
「…卒業までは我慢するつもりだったんだがな」
「…」
そう、卒業まであと2ヶ月。
卒業したら結納を挙げる予定だった。
「…景吾くん、大丈夫」
「…頼華…?」
「もう、覚悟は出来てるよ」
俺の目をしっかり見ながらそう言う彼女の目には覚悟が垣間見えた。
俺の横を一緒に歩いていく覚悟が。
今、だな。
「…頼華、」
「っ…はい」
「一生俺の隣で笑っていてくれ」
「…!」
何度も何度も泣かせてきた。
それでも隣に居るのは彼女しか考えられないから。
いずれ増えるだろう、愛しいものとこいつの笑顔をただ、守っていきたい。
「…返事は?」
「…勿論はい、だよ…!」
涙を浮かべて笑顔で微笑む頼華に約束の口付けを落とした。
卒業したら俺はイギリスにある、氷帝大学の姉妹校に留学。
頼華は俺の妻として、俺と共にイギリスに行く。
卒業式には、まだふたりの秘密を抱えたまま。
彼と彼女の事情
────たとえ周りに何と言われても
君を愛したくて仕方なかった
(これからまだまだ沢山の長い道のりに)
(秘密を抱えた俺たちは)
(どんな苦難でも乗り越えられる気がした)
(子供でも、子供じゃない)
(18歳の冬)
ひとつまた大切なものが増えるその時には
少しだけ大人になったふたりを夢見て
end
あとがき
如何でしたでしょうか?
18歳、婚前交渉と言うべきか…(古)
とある漫画で結婚した子供は子供じゃないのだと
見て、なんとなくで書いてみましたが…
やってる所長すぎましたすいません(汗)
ガッツリですね…後悔はしてません笑