第10章 だって(跡部景吾)
ネクタイをしゅるりと解いてやるとぴくりと反応する頼華。シャツの中に滑り込んだ跡部の手に更に反応する。
「あ、っ…ん…」
「…体熱くなってるな」
ひんやりとする跡部の手。いつの間にか胸元を隠すそれさえも跡部の手によって取り除かれていた。やわやわと触れる跡部の手が気持ちよくて。
「ん、ふ……っあ…!」
「…」
時折ぴちゃぴちゃと響く水音に頼華の頬は紅潮して行く。
スカートの中に手を伸ばしてみればそこはもう既に潤いを増していた。そこを隠すそれを脱がし、頼華のそこに顔を埋める跡部。
「あっ…や、そんなとこ舐めちゃ…あぁ…!」
頼華は己のそこに顔を埋める跡部の綺麗なグレーの髪を思わず掴む。
「…痛かったら言え、」
跡部はそう言うと頼華の手を己の手と絡め再びそこに舌を落とした。
「や、ぁぁ…っけ、いごぉ…」
丹念に舐められた頼華のそこは彼女の愛液か彼の唾液かはもう分からないくらいになっていて。暫くするとビクビクと身体を揺らし頼華は達した。
「…頼華、」
跡部が顔を上げ、名前を呼ぶと
「景吾、その…」
優しくしてね?と彼女は言った。
ここまではいつもしているのだが、いつもとは違う場所が故なのか──2人ともこれで辞める気はなかった。
「…言われなくとも」
そう跡部は応えると彼女の足の間に己の体を滑り込ませる。
カチャカチャとベルトの外される音がし頼華は思わず目を逸らす。少しして跡部のそれが己のそこにぴたりと当たっているのを感じた。
「…頼華。」
「…け、いご」
「…大丈夫だ」
やはり不安げな彼女を宥めるように頬を撫でてやると彼女は微笑んだ。それを最後にゆっくりと己のそれを頼華の中へ埋めていく。
「あぁぁ…っ…ん、ぅ、あ…!」
「…っ狭…痛くないか?」
「…大丈夫、景吾だから。景吾のだからずっと欲しかったよ」
「っ…!」
なんて事を跡部に放つのだろう。もう無理だと言わんばかりに跡部は律動を始めた。
「あ、っあっ……や、ぁ…!」
「っく…頼華、」
「けい、ごぉ…!!!」
頼華を抱きしめた跡部は更に律動を増していく。いつの間にシャツを脱いだ彼の胸元に頼華は擦り寄る。