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Amor vincit omnia__愛の勝利

第21章 あなたに(跡部景吾)




「今回の件だが。アポ無しでお前の家にお嬢を置いていった事、俺にも悪い所があった。すまなかった。」


…思っていなかった、まさかの謝罪。
十夜さんは悪くありません、俺の責任なんです。と伝えれば、頭を下げていた十夜さんが頭を上げた。



「…今のお前になら、お嬢を任せられる」
「…!」
「頼華を…お嬢を大事にしてやってくれ」
「…言われなくとも。大事にします、必ず」

「かなり手を焼く娘かもしれないが、それでも大事な娘だ。頼華を頼んだよ、景吾くん」
「!…はい」




それからは事は早く進んで行った。
俺の両親と、颯一郎さんに十夜さん、4人が顔合わせをして、跡部家、紫咲家共に、正式に婚約を明らかにした。





俺はといえば、頼華にサプライズとして伝えるために自ら薔薇を発注し、頼華が前にすきだと言っていた青を取り入れ、青い薔薇の庭園を中庭の隅に作らせた。

勿論、俺の部屋からもしっかり眺められるように。



あとは頼華が退院するだけだ。
はやくあの笑った顔が見たい。ただそれだけの気持ちで。



今回の件といい、散々頼華を大切にすると抜かしながらも傷つけてきた。
別れたいなんて言われた時は心臓が止まるかと思った。
傷付けても、傷付けられても、それでも心はどうしようもなく頼華を求めていたから。




おまけend
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