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Amor vincit omnia__愛の勝利

第20章 お題2




「女子が体を冷やすものではないしな」


仕方ないな、と言わんばかりの真田だが耳は赤いままで説得力がない。


「わぁ、弦一郎の匂いする!」


クンクンと己のジャージを嗅ぐ頼華にゴクリと真田の喉がなった。


「や、やめんか、はしたない…!」
「わー、ブカブカだぁ!」
「おい頼華、聞いているのか…!」



所謂彼ジャー、彼氏のジャージを彼女に着せる、というものを以前赤也が興奮気味に仁王たちに話していたことを思い出す。
たしかにこれはいい眺めだな、なんて思いつつ、己の欲情がだだ漏れになりそうなのを必死で抑えていた。






「おい精市、お前わざとだろう」
「えー、何のことかな柳」
「お前のジャージを着ている龍ヶ崎に弦一郎が嫉妬するかどうか、見たかったんだろう?」
「あれ、バレた?」
「真田副部長が嫉妬してる…!」
「真田でもあんな顔するんじゃのぉ」
「龍ヶ崎さんだけですよ、真田くんをあんな顔にできるのは」



口々にR陣がコートで話していることなど露知らず。
ベンチにいる真田と頼華の周りからは幸せオーラが纏っているのは目に見えずともわかる。


「やっぱ弦一郎の匂い、落ち着く…」
「…たわけが」



「…今日の夜は覚悟しておけ」
「!!」
「明日は部活も休みだからな。」


宣戦布告であろうセリフを頼華の耳元で囁いてやれば顔まで真っ赤にした頼華が恥ずかしそうに笑っていた。




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