第18章 お題(全キャラ+α)
「…そんなの、わかってるよ、XANXUS」
「……」
「あたしの方こそ途中で、抜け出してごめんね…?」
「…あぁ」
「Sei tutto per me.(お前は俺の全てだ)」
「…っ!!」
流暢なイタリア語でそう伝えられれば、これでもう心配することはないと頼華は思った。
それならば、と頼華も口を開く。
「Non posso vivere senza di te.
(あなたなしでは生きていけない)」
「…言うようになったな」
まだたどたどしさはあるものの、頑張って愛を伝えればXANXUSの心にはしっかり届いていた。
愛を知らない彼だったが、彼女に愛されることで徐々に愛に慣れていき、溺れる、そんな愛情でもいいのではないか、と、部屋の鉢植えに植えられた小さなプリムラだけが知っていた。
End
※プリムラ・ポリアンサの花言葉
『無言の愛』