第18章 お題(全キャラ+α)
真田弦一郎
※少し、他の方とは違う内容
*******
「…な!も、元カノ!?」
盛大に大声をあげたこの男、かなりテンパっている様子だ。
目の前の彼女らしき女の子は泣いている様子で。
傍から見れば泣かせているようにしか見えないのだが。
元はと言えば、真田に元カノがいる、という話を聞いたのが事の始まり。そもそも、この男の性格上、真面目すぎる故に初恋も遅く、それが頼華だったのだ。
有り得ない、と彼女も思いつつも、もし仮に居たとしても、あの真田だ。ハッキリ居たと言うであろうこと良く考えれば分かること。
しかし、恋は盲目、なんてよく言う。それを真田が隠しているのでは、という疑心はいつしか勝手に確信に変わり、現在に至っているのだが。
頼華としては、
もし仮に元カノが居たとしても、それを何故教えてくれなかったのか、本人の口から直接聞きたかった。周りからは聞きたくなかった、と。
「そ、そんなもの、知ってどうする…?」
「…どうもしない、けど、」
確かに聞いたところでどうもしない。
だが、心は言ってくれなかったことに内心傷ついていた。
「…確かに、前にお付き合いしていた女性は、いた。」
「…!」
真田の口から出たのが、事実だと。
それを受け入れるには頼華の心の準備は間に合っていなかった。
「…だが、聞いてくれ。まだ続きがある。」
「…つづき…?」
実は、そのお付き合い、というもの、相手方から言われ付き合ったのだという。
話によると、
かなり頻繁にテニス部の見学にも来ており、所謂、ミーハー、テニス以外の真田を知らず、外見のみで真田に告白を繰り返していたのだという。
余りにもしつこいため、しぶしぶ付き合ったものの、やはりミーハー女、1ヶ月も経たぬうちに別れを切り出したのだそうだ。
それを、この男の真面目な性格上、ちゃんとしたお付き合い、に入れたくなかったようで。
だが周りはそれを知ってしまっているが故に、元カノがいる、そう頼華の耳に入ったのだ。
「…なーんだ、そういう事かぁ」
話を聞いて安心したのか、うるうると目じりに溜めていた涙がこぼれおちた。