第18章 お題(全キャラ+α)
まさに売り言葉に買い言葉だろう。
土方が前の女、と口にしたとき、それは刃となって頼華の心に突き刺さった。それは土方も同じで。
頼華が銀時の名前を出しただけで、唯ならぬ殺意を覚え、それと同時に頼華をこんなにも傷つけていたのだと自覚した。
「…前の女の所には戻らねぇよ」
「うそつき」
「…お前以外、何もいらねぇ」
だから万事屋の野郎の所だけには行かないでくれ、そう呟いて。
「…最初に言ったのそっちですよ」
「…本当に悪かったと思ってる」
どうしたら許してくれるのか、と土方は問う。
「……いっぱい構ってください」
暫く間を置いたあと、そう頼華は答えた。
「そんな事でいいなら、お易い御用だ」
ふいに携帯を取りだしどこかへ電話をかける土方に頼華は不思議そうな顔をしていた。
「あぁ、俺だ。…そうだ、1週間宜しく頼む。」
「…え?」
ピ、と通話が終わった。
「今日から1週間、嫌って程一緒に居てやる」
そう言いながらフイとそっぽを向いた土方の耳は真っ赤だった。
「俺がどれだけお前が大切か、分からせてやるよ」
「…ふふ、望むところよ、十四郎」
「!」
急に名を呼ばれ振り向いた先の、彼女の顔からは笑顔がこぼれていた。
End