第18章 お題(全キャラ+α)
伊達政宗
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「前の女はもっと可愛げがあったぞ」
「っ…政宗の馬鹿!」
頼華を毎日のように可愛がっていた政宗だが、最近は戦だなんだと中々会えない日々が続いていた。そんな中、やっと時間が取れ、彼女に会ったのだが、この会えなかった日々、悶々としていたのは頼華も同じで。
元々素直になれない彼女は思った事とは違う行動を取ってしまう自分に、政宗は政宗で今までどう接していたのか少し戸惑い気味でそんな自分に腹が立ち、すれ違ってしまったのだ。
すぐ様出ていこうとする頼華を引き止める政宗。
このままではもう頼華に会えなくなる気がした。
「待てって…!」
「やだやだやだ、離して…!」
こんなはずでは無かった。
久しぶりに会って、抱き締めて、照れた顔に口付けて。
そう、思っていたのに。
いま自分の腕の中にいる彼女はとても悲しそうな顔をしていて、ズキリと胸が傷んだ。
「…悪かった」
「可愛げのある、女の子のとこ行けば…!」
「……」
「もう、どこへでもいっちゃえ…!」
うーっと泣き出す彼女の背中をひたすらに摩った。
「…頼むから、泣き止んでくれよ頼華」
「っ…う、っ…ひっ…」
強がりで素直じゃないところも含めて全てだいすきなのに。
久しぶりに会って舞い上がっていたのは俺だけなのかと思う政宗。
「…いや、違うな、」
「ひっ、ぅ……?」
素直じゃない頼華の言動なんて分かっていたはずだ。それを勝手に思い込んで、泣かせてしまって。
「…お前は十分に可愛いぜ、頼華」
「…まさ、むね…?」
「可愛げないなんて嘘だ」
前の女なぞどうでもよかった。というか覚えてもいない。こんなにも俺の気持ちを振り回すのは頼華だけで、この先もずっと頼華しかいらない。
「前の女なんか、どうでもいいに決まってるだろ」
「っ…」
「頼華、」
政宗に呼ばれてふいに顔を上げると政宗の顔が思いの外近くて顔を逸らした。
「…俺を見ろよ、」
「…ん、」
再び目が合うと優しい口付けが降ってきた。