第18章 お題(全キャラ+α)
頼華に命を助けられたあの日から、信長はこの女だけは絶対に逃してはならないと思っていた。
それは単なる験担ぎでもない。
例え金を積まれても、そこら辺の綺麗な遊女でも、絶対に頼華以上はいない、そう確信したから。
誰にでも優しく、時に儚い頼華を誰よりも欲していたのは信長だった。
それに、他の女と会うことを理解しろ、なんて頼華には余りにもキツいことだった。
この戦国時代に生まれ育ったのならば、わかる。
しかし、現代に生まれ育ち、トリップして来たばかりの戦国時代は頼華には到底理解できないことばかりだったのだ。
「もう、理解しろ、なんて言わない」
「…信長、様?」
「貴様、俺の妻になれ」
「っ…!!」
「返事は?」
「はい…っ!」
そうだ、何故もっと早く気付かなかったのだろうか。
傍に置いておくだけでは駄目なのだ。自分の妻となればもう一々煩わしい大名との謁見もしなくて済む。
それに、頼華を傷つけることもなかったのだと。
「貴様は俺の妻だ。他の女など有り得ん」
未来を約束するように再び頼華に口付けを落とした。
End