第18章 お題(全キャラ+α)
「な、んで…」
「…あーあ、目が腫れてる」
ガサガサとビニールから取り出されたのはアイスパック。
ひんやりと目元に当てられた。
「…悪かった」
「…っ」
「変なこと、言ったな。俺。」
「……」
「あれ、本心じゃねぇから」
少し切なげに話す彼に頼華の心はキリリと傷んだ。
「…このまま別れたくねぇ」
「っ…あ、たしだって…!」
「なぁ、俺の話、聞いてくれるか?」
少し戸惑って小さく頷く彼女に、灰崎は全てを話した。話してる最中、頼華の表情が少し曇ったが、全てを話せば、あたしこそごめんね、と俯きながら震えていた。
「これで仲直り、な?」
灰崎は頼華の額にキスを落とすと頼華も灰崎の頬にキスをした。二度と、傷つけないと約束して。
「お前の母親に、頼んだんだよ」
「え…?」
「福田総合に来たら、同棲させてくれって。」
「…!いいの…?」
「いいに決まってんだろ」
もう離さない、絶対に、と言わんばかりに灰崎は頼華の手を強く握った。頼華もまたその手を、小さな手で握り返すのだった。
End